サロンを立ち上げたいと思った時、選択肢の一つとして挙げられるのが、自宅での開業ではないでしょうか。
自宅に店舗を構えると賃料などのコストが抑えられ、子育てやプライベートの時間を大切にしながら働けるといったメリットも多くあるため、人気の高い開業方法のひとつです。
今回は、とある事例をもとに自宅サロンの実態と集客方法についてご紹介していきます。他のサロンはどのようにして起業したのかを知りたい方、リアルな売上と利益を知りたい方は必見です!
Contents
自宅の一室で開業した主婦サロン
自宅でのサロン開業を検討される方は、他のサロンでどのくらい集客があり、どのくらい実績を出しているのか気になるところですよね。
まずは、自宅の一室を使用しサロンを開業された主婦の方の事例をご紹介していきます。
自室の一室で開業した事例
神奈川県にお住まいのAさんは閑静な住宅街に住む主婦でした。子育て中ということもあり、夜間や土日の勤務が難しいため自宅サロンを開業され、下記のように順調に営業されています。
- メニュー内容: フェイシャル&ジェルネイル
- 売り上げ方法: 都度払い 客単価3000円~8000円
- 営業時間: 10:00~16:00(子供のいない時間帯。実働5~6時間)
- 定休日: 土日祝(予約制なので、自分の都合がつけやすい)稼働20日
- サロン規模: 自宅1室(1ベッド1ネイルテーブル) スタッフは本人1名
- 地域: 神奈川県 住宅街 戸建て
実績
来客人数:1日1~3名
月間売上:約25~35万円(純利益平均20万円)
駅近ではない住宅地で平日限定の営業にも関わらず、純利益が平均20万円と安定した利益を確保されています。
お子さんのいない時間帯を活用して上手にビジネスをされているのがわかります。
【初期費用の内訳】
次に、自宅でサロンを開業する際の初期費用を、先程のAさんの事例をもとにみていきましょう。
初期費用 120万円(家具&什器30万円・美容機器45万円・エステ用品45万円)
【内訳】
物件 0円
内装費 0円
家具・什器 30万円
└ネイルテーブル&チェアー・エステベッド・スチーマー・ホットキャビン・ワゴン
業務用美容機器 45万円
└RF&吸引
エステ用品 45万円
└業務用化粧品・タオル・ネイル用品一式・その他備品・店舗名刺やメニュー表等
物件にまつわる敷金礼金や内装費のコストがかからないところが自宅サロンならではの魅力です。
浮いたお金を美容機器や、化粧品・タオルといったお客様の肌に直接触れる備品に回せるのも嬉しいポイントではないでしょうか。
サロンのメニュー例
Aさんは、顧客の多くが平日の日中に来る主婦層ということで、次のような価格設定でサービスを提供されています。
【メニュー一覧】
ジェルネイル(ワンカラーorラメグラ)60分 3500円
フットジェル(ワンカラーorラメグラ)60分 4000円
その他のアート 1本100円~
新規のオフ 無料
リピーターのオフ 500円
他店のオフ 1000円
保湿のフェイシャル45分 4500円
ハリと潤いのフェイシャル60分 6000円
RF&吸引リフトアップフェイシャル60分 8000円
RF&吸引30分コース(クビ・肩等のコリ解消) 3000円
自宅サロンはコストがあまりかからないため、安価な値段設定をする方が多くいらっしゃいますが、あまりおすすめしません。薄利多売で商売をしても、利益が出づらく施術やサービスの品質にも影響します。
また、経営が軌道に乗ってから価格設定を高くすると、それまでのお客様の中には拒絶反応を示す方もいます。
顧客離れを防ぐためにも、価格の初期設定がとても重要です。リピートしやすく利益も出る価格設定を意識しましょう。
自宅開業の特長
ここまでは、Aさんの事例を中心にお伝えしてきましたが、ここからは私たちの知見を基にご紹介していきます。
自宅でのサロン開業には、具体的にどのような特長があるのでしょうか。
まずメリットとして挙げられるのは、初期投資が少ないことです。固定費で最も負担となる家賃・人件費が必要ないため、ビジネスをスタートしやすいです。
また、時間調整がしやすいため、子育てをしている方やパラレルワーカーにはとても向いている開業方法のひとつです。
さらに自宅サロンの場合、友人や知り合いが顧客になるケースが多く、他の形態のサロンと比べてリピーターがつきやすいともいわれています。
その一方で、高価な価格帯でのビジネスが難しく、売上があまり見込めません。
また、住所や電話番号といった個人情報を公開する必要がある、自宅の一部を使用するため居住空間が狭くなるというデメリットもあります。
自宅でサロンを開業する際は、事前にご家族と話し合い、協力体制を得ることが大切です。
【メリット】
・初期投資が少ない
・家賃や人件費などの固定費がかからない
・固定客・リピーターがつきやすい
・時間の調整がつけやすい
【デメリット】
・高額な売り上げが見込みにくい
・住所などの個人情報を公開する必要がある
・自宅の一部を使用するため、居住空間が狭くなる
自宅開業でうまく営業するコツ
サロンを経営する上で、固定客や新規顧客を獲得するためのPR活動は欠かせませんが、自宅サロンの場合、具体的にどのような営業活動をしていけば良いのでしょうか。
ここからは、自宅サロンの営業手法について詳しくご紹介していきます。
専門性を高める
ご近所にお住まいの方やママ友が顧客になるケースが多いため、最初は技術や知識の専門性の高さをアピールすることが大切です。
オーナー自身が広告塔となるため、美容や健康を意識し、オシャレにも気をつかう必要があるでしょう。
サロンのアイコンとなるべく、日々の努力を惜しまないことがスタートです。
その上で、質問に対して、お客様が求めているものを感じとり、専門的でわかりやすく回答すると信頼や評価の向上につながっていきます。
話術だけでなく、聞く姿勢も大事にするとまた会いたいと思ってもらいやすくなるかもしれません。
注意したいのが、積極的なPRです。顧客を獲得したいという一心で積極的な営業をされる方がいますが、あまりよい印象を与えないため、注意するようにしてください。
開業前はモデル集客
開業前に、サロンのモデル集客を行うのもおすすめです。
プレオープンでは、モデルを数名集め無料で施術を行う代わりに、施術前後の写真をホームページやチラシに掲載させてもらうのです。
その宣材写真を使用して、多くの人たちにサロンをPRできます。
サロンモデルには知り合いの方だけに限らず、ポスティングやSNSを活用して面識がない方も選びましょう。
知り合い以外の口コミも活用すれば、信ぴょう性が上がりお客様の幅も広がっていきます。
口コミを大切に
自宅サロンを開業する場合、ご近所さんやママ友の口コミがとても重要です。
ホームページからの集客はもちろん大切ですが、知り合いに勧められると来店のハードルが大幅に下がり、安心感や信頼感につながります。
口コミによる集客は即効性が低く、売上が軌道にのるまで時間がかかるケースも多いですが、丁寧な営業・施術を続けていけば紹介やリピーターが徐々に増えていき、ある程度の収益が見込めるでしょう。
コミュニティを作る
施術メニューにとらわれるのではなく、サロンが憩いの場となるような雰囲気づくりもお客様に愛されるサロンにするための秘訣です。
例えば、子育て中のママを対象にしたマッサージ講座やランチ会、座談会など、イベントを企画してサロン自体をコミュニティの場にすると、さらなる集客が見込めるでしょう。
マンションの一室を使う場合は注意が必要
マンションやアパートといった集合住宅や用途制限のあるエリアは、管理組合の規約で営利目的での使用を禁止されていることがほとんどです。
開業の可否を確認しないまま準備を進めてしまうと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
開業準備の第一歩として、商用利用が可能な物件かどうかを確認しておきましょう。
まとめ
自宅サロンの実態や集客方法についてご紹介しました。
自分の理想とする空間を作って自由なスタイルで働けるのは、自宅サロンの醍醐味といえるでしょう。
初期投資や固定費が少ない、リピーターがつきやすいなどのメリットがある反面、プライバシーを守りづらいといったデメリットがあるのも事実です。
両者をきちんと理解した上でご自分にあったスタイルかを再度確認し、開業の準備を進めていきましょう。
開業する地域やサロンの規模、そして使用するマシンなどの機材によって初期費用やメニューなどの価格設定などは大きく異なってきますが、他のサロンの実例をご自分のサロンの立ち上げの際にぜひお役立てください。